マンションのトラブルって、何が多いのか?どう対処したらいいのか?

マンション管理組合の理事会で理事長や役員をしている人が、「どんなトラブルが起こっているのか?」「そのトラブルにどう対処すればいいのか?」といった点について紹介します。

マンションの住民、管理組合、理事会、管理会社など、トラブルが気になる人に参考になります。
 

マンションで発生しているトラブルとは?

実際に、マンションでは、どんなトラブルが起きているのか?マンションのトラブルについては、国土交通省が定期的に「マンション総合調査結果」を行い、マンションのトラブル状況を調査しています。
 

一番多いトラブル

一番多いトラブルは、「居住者間のマナー」です。

一番多い解決方法

解決する方法としては、「管理組合で話し合った」ケースが一番多いです。

 
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具体的に、国土交通省の「平成25年度マンション総合調査結果」は、下記の通りです。
 

トラブルの発生状況(重複回答)

  • 居住者間の行為、マナーをめぐるもの :68.6%
  • 建物の不具合に係るもの :28.6%
  • マンション管理業者に係るもの :2.9%
  • 近隣関係に係るもの :11.4%
  • 管理組合の運営に係るもの :4.8%
  • 費用負担に係るもの :10.5%
  • 管理規約に係るもの :14.3%
  • その他 :8.6%
  • 特にトラブルは発生していない :23.8%
  • 不明 :6.7%
上記は、過去1年間のトラブルが発生した状況です。一番多いのが「居住者間のマナーが問題」のトラブルです。次いで、「建物の具具合」、「費用負担に係るもの」と続きますが、「特にトラブルが発生していない」というマンションも多いです。

 

トラブル発生状況の内訳(重複回答)

居住者同士の行為、マナー

  • 違法駐車 :24.7%
  • 違法駐輪 :15.4%
  • ペット飼育 :22.7%
  • 生活音 :34.3%
  • バルコニーの使用方法 :13.1%
  • 共用廊下等への私物の放置 :18.4%
  • 専有部分の修繕等 :5.9%

建物の不具合

  • 雨漏り :12.2%
  • 水漏れ :18.8%
  • 外壁落下 :2.7%
  • その他施工不良 :4.7%
  • アフターサービスに関するもの :3.6%
  • 瑕疵担保責任に関するもの :2.6%

 
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管理業者

  • 委託管理業務の不十分な実施 :1.9%

近隣関連

  • 日照権 :1.0%
  • 電波障害 :2.7%
  • 騒音・異臭 :8.4%
  • 自治会 :2.5%

管理組合の運営

  • 役員の不当行為 :0.4%
  • 管理組合内での申告な意見対立 :1.9%
  • 役員又は専門委員の人材不足 :11.4%

費用負担

  • 管理費等の滞納 :27.2%
  • 管理費等の不足 :2.1%

管理規約

  • 議決権の設定方法 :0.6%
  • 駐車場使用方法に関するトラブル :7.5%

その他

  • 防災対策 :3.4%
  • 防犯対策 :6.1%
  • プライバシー :1.5%
  • 個人情報保護法に関するトラブル :0.9%
  • 特にトラブルははっせいしていない :26.9%
  • 不明 :7.5%
上記も、過去1年間に発生したトラブルの具体的な内容です。居住者間のトラブルとしては、「生活音」「違法駐車」「ペット飼育」が多いです。その他のトラブルとしては、「建物の不具合」「水漏れ」「雨漏り」「管理費の滞納」などが多いです。

 

トラブルの処理方法(重複回答)

  • 訴訟によった :6.8%
  • 民事調停によった :1.0%
  • 国に相談した :0.1%
  • 地方公共団体に相談した :1.6%
  • (公団)マンション管理センターに相談した :1.6%
  • (一社)マンション管理業協会に相談した :1.6%
  • マンション管理業者に相談した :48.0%
  • 弁護士に相談した :9.8%
  • マンション管理士に相談した :3.9%
  • 管理組合内で話し合った :69.2%
  • 当事者間で話し合った :25.4%
  • その他 :7.6%
  • 不明 :5.6%
上記も過去1年間に発生したトラブルの処理手段です。一番多いのが「管理組合内での話し合い」が圧倒的に多いです。その次が、「管理業者に相談」「当事者間での話し合い」と言う様に、一般的な解決方法が多いです。

 
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マンションのトラブルの解決方法

マンションでは、他人が集まって暮らしているので、注意していても何かしらトラブルになることがあります。

嫌だから引っ越しをするというのも難しいです。そこで、管理組合の理事長など役員に求められるのが「道理をわきまえた公平さ」です。

しこりが残らないように円満に解決する「大岡裁き」が解決の決め手になります。 

騒音問題のトラブルの解決方法

騒音は、深刻なトラブルで、耳に入りだすと「眠れないほど気になる」と言うぐらい日常生活にも支障をきたし、ひどい場合は、暴力事件にまで発展する可能性があります。

初期対応は、どうすると良いのか?

音に関する問題は、主観が入りやすいので、すぐに理事が動くと問題が大きくなり、逆に問題をこじらせる可能性があります。

音を出している人にしてみれば、いきなり理事会から注意されると、感情的になる可能性があります。

その為、うるさいと感じている人が、率直に、音が気になるので、控えるようにお願いすると、すんなり解決することもあります。

理事の対処方法

当事者間で、解決できない場合は、理事の出番です。

トラブルの解決の基本は、両者の話しを聞いて、妥協点を提案して納得してもらう点です。

妥協点については、下記でケースごとに紹介します。

楽器の演奏の騒音トラブルの妥協点の例
  • 演奏の時間帯は、夜の8時までなど決める
  • 演奏の1日の制限時間を提案する
  • 窓を閉めるように促す
  • 防音装置の設置を促す

階上の住人の足音トラブルの妥協点の例

トラブルの階上の人の足音がうるさく、ストレスになるという場合は、どのような対処がとれるのでしょうか?

階上の住民との話し合いは必須です。

具体的にできる対策としては、

  • ドンドン歩いている場合は、歩き方を気を付けてもらう
  • スリッパを履くようにする
  • カーペットを敷いてもらう

といったような対策を上の階の人と話し合うことになります。

 
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騒音がしない床材を選ぼう!
マンションを購入するときは、床材の遮音性能は要チェックです。賃貸の人も参考になります。

床材については、「軽量床衝撃遮音等級」として、

  • LL40:ほとんど聞こえない
  • LL45:小さく聞こえる
  • LL50:聞こえる
  • LL55:少し気になる
  • LL60:よく聞こえる

という床材の遮音性能をしめす企画があります。

建築学会が推奨する床材はは「LL-45です。もしも、これからマンションを購入する場合は、「LL-45」か「LL40」のモノを選びましょう。

 

管理組合での対策は、フローリングにリフォームする場合は、床材の遮音素材を、「LL-45」以上にする条件を管理組合の総会にはかり、「使用細則」に付け加えることは必要だと思います。

リフォームの工事の音がうるさい場合のトラブル対策

隣りのリフォームの騒音がうるさい場合は、「まずは、当事者が直接話してみる」といいです。案外、「あっ、すみませんでした」と解決する場合もあります。

あと、リフォームをする場合は、管理組合の承認を得て行うので、音をしないようにさせることは無理です。

とれる対策としては、

  • 夜の18時までに工事は終わらせる
  • 特に騒音がする工事をする日、時間帯を前もって教えてもらう
  • うるさい工事の時は外出する

といったようなコトになります。

リフォームする方も注意が必要
リフォームなどの工事を行う場合は、必ず、お隣さんに挨拶しておきましょう。工事は、ずっと続くモノでもないので、挨拶しておくだけでも問題にならない場合もあります。

 

ペットの鳴き声のトラブルの妥協点の例

留守番中の犬の鳴き声が気になるケースがあります。

具体的にできる対策としては、

  • 無駄吠え防止の首輪を使う
  • 犬を留守番させる前に散歩をして、留守番中に寝やすくする
  • 防音効果がある防音ゲージ犬舎を購入する
  • ゲージの周りに遮音シートを貼る
  • ゲージ内のベッドやトイレの設置場所を変える
  • 窓に防音カーテンを使う
  • 工事用の防音シートを壁に貼る
  • 犬をしつけ教室にいく

といったことを、犬の飼い主に行ってもらい対策することになります。

 
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ペット禁止のマンションでペットを飼っている場合

ペット禁止のマンションで犬を飼っており「騒音」「異臭」「通路をウロウロする」「抜け毛がきになる」といった苦情がでることがあります。

飼い主としては、ペットは生き物であり、家族の一因になっているので、管理規約通り、ペットを処分するようにいうのは難しい場合があります。いきなり「保健所で処分を」というと事を荒立てることになるのでやめましょう。

もしも、堂々と共用部分を連れて歩いたり、隣人への迷惑を気にしない人なら、理事会で話し合い、ペナルティーを与える言になります。

苦情を申し立てて来た人に対しては、「鳴き声を気を付ける」「共用部分では専用のカゴに犬を入れる」など、飼い方のマナーを守るので、許してもらえるように管理組合から話してみるといいです。

現実的な管理組合の対策としては、現在のペット一代のみ許可し、二代目は許さないなど少し緩めの勧告をします。

さらに、マナーの改善を厳守してもらいますが、改善されない場合は、ペットを手放すように要請することになります。

一代のみですが、ペットの飼育を許可することで、マナーを改善してもらえる可能性が大きくなると思います。

盲導犬・介助犬はペットではありません。
盲導犬や介助犬は、動物ですが、身体障害者補助犬として法律でペットとして扱わないことになっています。その為、ペット禁止のマンションでも問題ありません。盲導犬や介助犬は、しつけができているので、鳴き声がトラブルになることはないと思います。

 

常識外の騒音トラブルの対処法

もしも、「騒音が大きい」「時間帯が常識外れ」といった様に、常識的に問題がある騒音トラブルが起こっている場合は、区分所有法などに定められている

  • 有害行為
  • 共同の利益に反する行為

に該当するので、

  • 管理会社に騒音測定器

を借りて、客観的なデータを計測して、改善を迫る方法もあります。

 
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駐車違反、違法駐輪のトラブル対策

駐車違反や違法駐輪は、多くのマンションのトラブルとして困った問題です。

駐車違反・違法駐輪を放置すると、大きなトラブルになるかも!?

違法駐車や違法駐輪を放置していると、

  • 消防車や救急車などの緊急車両の邪魔になる
  • ゴミ収集車の障害になる
  • 事故が起きやすくなる
  • 景観が悪くなる
  • マナーへの気遣いが下がり、住民のモラルが低下する
  • 不審者が侵入しやすくなる

といった問題を起こす可能性があるのえ注意が必要です。

駐車違反を見逃していると、「あそこは駐車OKだから停められる」と思われ、さらに駐車違反がひどくなるので、毅然とした態度をとる必要があります。

駐車違反への管理組合の対処方法

駐車違反、違法駐輪があった場合は、

まず、最初にやることは、

  • 違法の状況を調べる
  • 「警告票」をワイパーに挟む(ノリをつけると車を傷つけるので注意)

で、違法であることを通知します。

しかし、改善せず、常習性がある場合は、

  • 写真を撮り、掲示板に貼ります
  • 掲示板に貼って住民の車か調べる
  • 心当たりがある違法駐車か調査する

を調査します。

もしも、居住者が違法駐車している場合は、この段階で駐車違反がなくなることが多いです。

この段階で、変化がない場合は、部外者の自動車だと判断できるので、私有地に侵入してきた無断駐車として警察に届けます

このようにして、違法駐車、違法駐輪の対策をこうじましょう。

 
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駐車違反が起こらないようにする予防対策

管理組合として、駐車違反を予防するには、

  • 三角コーンやポールで駐車できないようにする
  • 路面に駐車禁止の文字を書く
  • 看板を設置して駐車禁止を警告する
  • 広報で住民への警告を徹底する
  • 理事が定期的にパトロールをして見張る

といった方法を管理組合で行うといいです。

違法駐輪を予防する方法

違法駐輪の予防対策としては、

  • 住民の自転車にはステッカーを張り登録を義務づける

のが、まずは第一歩です。

ステッカーを張ることで、住民の自転車か、住民以外の自転車かの判別ができます。もしも、住民の自転車が駐輪場以外に止めていた場合は、持ち主に注意ができます。

住民以外の違法駐輪の対処方法
ステッカーを張っていない自転車の場合は、管理組合が処分すると「警告書」に書いて自転車にはり、警告します。

それでも改善しない場合は、警察に相談して盗難届が出ていないか確認し、「拾得物」として届けます。遺失物法所定の保管期間の3ヶ月が経過したら組合で自由に自転車を処分することができます。

 

 
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駐車場が足りない場合の対処法

駐車場が足りずに、同じ人が駐車場を使い続けているのが不公平というトラブルが起こった場合は、管理組合、総会ではかり、周囲の駐車場を管理組合で一括に刈り上げ、マンションの駐車場の利用料と同じ金額にしたうえで、2年~3年で、駐車場の位置を入れ替えるなどの対策ができます。

違法駐輪のトラブルの対処方法

違法駐輪がある場合は、駐車違反と同じような対処として

  • 駐輪禁止のポスターを張る
  • 違法駐輪の自転車に警告書をハンドルに貼り続ける
  • 撤去されない場合は、期間を区切り処分することを通知する

といったことを根気強くおこなうことで違法駐輪がなくなったというケースもあります。
 

ベランダにプランターやモノが一杯、置いてあるトラブル

ベランダは、共用部分になります。プランターを置いて花を飾るのもいいのですが、避難時の邪魔になる場合は、理事会で注意する必要があります。

共用部分のベランダについては、管理組合が注意すべきことなので、苦情を言ってきた人のことは、後々のトラブルを避けるために内緒にしておきましょう。

急に、理事が訪問して注意すると、相手も感情的になるので、最初の訪問では軽く声を書ける程度にして、後日、訪問して、「管理規約」に記載されていることを伝えつつ、やんわりとベランダにあまりモノを置かないようにお願いするといいです。

最初は、掲示板に「ベランダの使用に関するお知らせ」を掲載して、遠回りに、注意をする方法も良いと思います。
 

ゴミ出しのルールに関するトラブル

ゴミ出しのルールを守らない人がいると、

  • ゴミ収集車に収集されない
  • 猫や猪などに荒らされる

ということで、異臭やハエに悩まされることがあります。

誰がゴミだしの違反をしているのか特定はできると思いますが、ゴミ置き場で現行犯で注意するのも大変です。

まずは、ゴミだしのルール違反の対策としては、

  • 掲示板で、ゴミだしのマナーが乱れていることを指摘
  • 掲示板で、ゴミだしのルールの徹底を周知する

といったことを行うことで、自分がルールを守っていなかったことに気づき改善されることがあります。

それでも改善されない場合は、

  • ゴミだしの時間以外は、ゴミ置き場のドアを施錠する
  • 防犯カメラを設置する

と言ったような対策を管理組合の理事で検討するといいです。

 
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玄関のドアの変更、色の塗り替え

誤解されがちですが、玄関のドアは、「錠」「内部の塗装部分」以外は、共用部分になります。その為、住人が玄関を勝手に取り換えたり、塗りかえるなどの工事をしてはいけません。

通常、「管理規約」の専有部分の範囲の規定にも、そのように記されていることが多いと思います。その為、住人が勝手にドアの扉を変えた場合は、管理規約を確認して、住人に元に戻してもらうように依頼することができます。

なぜ、ドアは共用部分なのか?
マンションは、ドアなどの外観を、それぞれの人が好きに色や形状をかえると、統一感がなくなりイメージが損なわれ、マンションンお資産価値に影響します。その為、管理規約で禁止しているマンションがほとんどです。

 

外国人が賃貸の部屋に引っ越してきた

外国人が引っ越してきたことで、

  • ゴミだしのルールを守らない
  • 夜遅くに大勢で騒ぐ

といったようなトラブルが起こることがあります。

理事会での対応方法

理事会の対応としては、まずは、外国人の人に「ゴミだしのルール」は、理解していない場合があるので、再度、理事が説明することで理解してもらえることがあります。

また、夜遅く大勢で集まり騒ぐ件については、「近隣には、赤ちゃんや小さな子供もいるので、夜はなるべく静かにしてほしい」と伝えることで、理解してもらえることがあります。

今後、再発しないための取組

賃貸で外人に貸し出している場合は、オーナーに厳重に注意して、外国人に貸し出す場合は、借主の母国語に翻訳した資料を渡して、ルールを理解してもらえる対策をとってもらうようにしましょう。

 
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管理組合の活動に「積極的な人」と「消極的な人」のトラブル

マンションの管理組合での活動は、居住者が同等に行う義務と権利があります。しかし、管理組合の活動に「積極的な人」と「消極的な人」に分かれ、それぞれが「不公平感」をいだいてトラブルになる可能性があります。

積極的な人の思い

管理組合の活動に積極的な人は、消極的な人に対して「他人任せで義務を果たさないので無責任な人」と不満を感じます。

消極的な人の思い

マンション管理組合の活動に消極的な人は、積極的な人に対して「自分たちで管理組合を好きに動かし決め、私物化しているのでは?」といった疑念を抱いています。

小さな不満や疑惑が、大きなトラブルの元に・・・

「積極的な人」と「消極的な人」の、このような小さな不満や疑惑がたまると、いずれ大きなトラブルになる可能性があります。その為、早めに対策をとる必要があります。

どう対処できるのか?

マンションの住民間でのトラブルで、もっとも不公平感が感じやすいのは、役員を引き受けない人です。高齢や病気の人は仕方ないとはいえ、それ以外、基本的に役員を引き受けない例外を作らずに、消極的な人にも何かしら役員の仕事をしてもらうように話し合うのが大切です。

無理やり役員を押しつけてはダメ!

公平に役員をするために、無理やり役員を押し付けると「幽霊理事」になり、名前だけの理事で、管理組合の活動に参加しないことになるので注意が必要です。その為、何かしら理由があり、理事の活動への参加が難しい人に対しては、「引き受けるにはどうすればいいのか?」「どのような参加が可能か?」などを一緒に考える姿勢を示すことで、「絶対にムリ」と拒否する人も少なくなります。

 

賃貸に住んでいる人が、理事会に参加しないのが不満

管理組合の理事になると、「理事会への参加」、「行事の準備」とかなりの負担になりますが、賃貸の人は理事にならなくていいので不満を感じている住民の思いがトラブルを引き起こす可能性があります。

どのような対策がとれるのか?

マンションによっては、賃貸に住む人が増えて、分譲に住んでいる人のみで管理組合を運営しているので、不公平感を感じて裁判を起こし、賃貸に住んでいる人(不在所有者)に対して金銭的な協力を求めることが有効となっています。

管理組合の役員の資格要件も緩和傾向にある

マンションの管理組合の役員は、なり手が不足している深刻な問題です。この件を受けて2011年7月にマンション標準管理規約が改正で、マンションに住んでいない人でも組合員になれるように資格要件が緩和されました。

 
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管理人の業務に不満がある

長年、管理人を務めてもらっていると、「高齢になり耳が遠くなった」、「ゴミ捨て場やろうかなどの掃除に手抜きが出た」と言ったようなことで、管理人を変えてほしいという不満を訴える住民がでてくることがあります。

まずは、管理会社と話をする

マンションの住民の不満が、本当なのか?まずは、理事会が管理会社に管理人の業務の遂行状況を正確に把握してもらいましょう。必要なら理事会で清掃がキチンとできているかチェックしましょう。その後、管理業務に支障があるようなら、管理会社に管理人の交替を申し出るのが理事会の役目です

管理会社に管理人との面接調査をしてもらう

長年、管理人をしてくれている人であれば、いきなり管理人を変えるということを行うよりも、まずは、管理会社にて、管理人が、まだしごとを続ける意思があるか?などの確認をしてもらいましょう
もしも、管理人が、働く意欲があならば、

  • 高齢で耳が遠くなっているなら補聴器をつける
  • ゴミ置き場などの掃除は初心に帰って取り組んでもらう

といったチャンスを与えると良いでしょう。もしも、その後も、住民からクレームが出るようであれば、管理会社に管理人の交替を要請するといいでしょう。
 

訪問介護の自動車が来客用の駐車スペースを使って邪魔になる

築年数が30年を超えるマンションになると、高齢者が多く住んでおり、複数の住民が訪問介護を利用しているケースもあります。その時に、介護の車が、来客用の駐車スペースを使っているので、来客時に駐車場が利用できないのがトラブルになることがあります。

どう対処することができるか?

来客用の駐車スペースは、特に昼間に不足する可能性があります。その為、通勤に自動車を使っている人の駐車場を昼間、開放して使ってもらうという方法もあります。まずは、理事の駐車場を開放できると良いのですが、掲示板を使って呼びかけると、昼間の来客用のスペースを確保できます。

駐車スペースの確保ができたらルールを決める

昼間に使える駐車スペースを確保できたら、ルールを決めるのが大切です。

  • 部屋番号を書いた札を社内に置く
  • 来客用の駐車スペース、理事や住民に開放してもらった駐車スペースを利用する場合は、部屋番号を書いた札を社内に置くようにし連絡が取れるようにします。マンションに関係ない人が利用するのを予防することもできます。

  • 理事や住民の開放した駐車スペースの利用時のルール
  • 理事や住民の開放した駐車スペースを利用する場合は、事前に申請して登録するようにします。事前に申請してもらうことで、もしも、平日でも通勤しない場合にトラブルにならないようにできます。

  • 介護事業者にルールの通知をする
  • 管理組合で決めたルールは、介護事業者に連絡し、協力をお願いします。できれば、介護事業者に、理事や住民の開放した駐車スペースに駐車してもらうことで、一般の来客用駐車場を空けておくことができます。

以上のようなことを参考に、マンションの管理組合で話し合い、ルール決めをすることで、来客用の駐車スペースのトラブルを予防することができます。

 

 
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事務所や店舗などのトラブル

ここからは、マンション内に事務所や店舗がある時のトラブルについて紹介します。

1階に飲食店が入り、臭いと騒音で困っている

飲食店で、臭いがでる店舗の場合、真上に住んでいる住人は大変です。まずは、何か対策がとれないか、店舗のオーナー、店長と理事が話し合う必要があります。

可能な対策

臭いについては、煙や臭いを処理できるダクトを付けてもらうようにお願いできますが、費用がかかることなので1年、2年などの一定期間内に工事してもらうように交渉できます。

騒音については、管理会社に機械を借りて、どれくらいの騒音か計測します。50デシベル以内など、問題にする基準値を超えていないことを説明し住人に納得してもらうことになります。

 

反社会勢力の事務所を立ち退いてもらいたい

反社会勢力の事務所がマンションにあると不安を感じる住民もいます。その為、事務所を引っ越してもらいたいという要望を管理組合に訴えるケースもあります。

管理組合として対処できるのは、本当に問題を起こしている場合なので、

  • どのような迷惑が住人にかかっているのか?
  • 暴力団風の男性の頻繁な出入りによる威圧
  • タバコを共用部分やマンション周辺にポイ捨てしている
  • ゴミ出しのルールを守っていない
  • 出前の器を出しっぱなしにしている
  • 廊下で大声を出している

など、実情の調査をしましょう。

その後、管理組合や理事が直接交渉するのは危険なのでやめます。

具体的にとれる対策としては、「管理会社への相談」を行い、「管理会社の顧問弁護士」に相談して、法律にのっとって立ち退きを求めることができないかを模索します。

区分所有法の法律で立ち退きを求められる
区分所有法の第6条には、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為、その他の建物の管理や使用に関して区分所有者の利益に反することをしてはいけない」という定めがあります。

この区分所有法を使い、問題がある場合は、区分所有者に対して「訴訟」「専有部分の使用禁止」「引き渡しの請求」を請求できます。

この為、臨時総会で4分の3以上の賛成を得ることで、立ち退きを求めることが法律的に行えます。立ち退きを求めるのも弁護士に依頼すれば安全に退去をしてもらえるようになります。ただし、法律的に、相手に弁明の機会を与える必要はあります。

 

 
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マンションの近隣とのトラブル

ここからは、マンションの周辺の近隣とのトラブルについて、どんな対処方法があるのか紹介します。

隣りに建築中のマンションの騒音・日照・風通しが気になる

隣りにマンションができることになり、

  • 騒音
  • 日照
  • 風通し

などが気になるとマンションの住人が心配して管理組合に相談にくるケースがあります。

管理組合の対処方法

このような住人の不安に、管理組合としては、隣りのビルの施工主を訪問して話をすると良いです。また、管理会社に問い合わせて、隣のマンションの建て方に問題はないか建築士の意見をもらうといいです。

基本的に、工事に関しては許可をとって行っているので、不適切な建築をしていない限り止めさせることはできませんが、「工事時間の厳守」や「防音シートの設置」など、何かしら考慮はしてもらえると思います。

また、マンションに接する面には、小窓に目隠しをつけるなどして、こちらの住人のプライバシーに配慮してもらえるように考慮してもらえる可能性があります。

このような管理組合の交渉や取り組み、これ以上の要求が難しい点については、交渉の経緯をマンションの住人に回覧すると不安が減り、納得してもらえる可能性が増します。

 
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管理費や修繕積立金の滞納トラブル

管理費や修繕積立金の滞納は、継続するとマンションの維持や管理に支障をきたすので、絶対に避けたいトラブルです。

管理費の滞納で管理組合がとれる対策

管理組合がとることができるのは、

  • 管理規約で督促の方法を明記しておく
  • すみやかに督促などを行う

といった2つです。

管理規約で督促の方法を明記しておく

管理規約に、管理費などの滞納があった場合に、どのようなペナルティーを課すか明記します。明記しておくことで対処が楽になります。

具体的に管理規約や使用細則に明記しておくこ例としては、

  • 遅延損害金(年率13%など)
  • 駐車場の使用契約の解除

などを管理会社などに相談して、専門家の意見をもらい設定します。

すみやかに督促などを行う

滞納を予防するためには、すみやかに対処することが重要です。国土交通省の「平成25年度マンション総合調査」によると下記のようなデータがあります。

滞納期間の状況

3ヶ月以上に滞納している人に対して、何らかの対処をとることで、1年以上の滞納者は約半数程度まで減らすことができます。

  • 3ヶ月以上:37.0%
  • 6ヶ月以上:22.7%
  • 1年以上:15.9%

このように、すみやかな督促を行うのが大切なのが理解できると思います。

滞納者への対策方法

滞納者には、一般的には管理の徴収は管理会社が行っているので、管理会社から督促を行ってもらいます。理事も同じマンションの住人なので、管理会社に依頼するのがいいです。

具体的な手順としては、

  1. 1ヵ月~3ヶ月
  2. 管理会社に依頼して、通常の督促をする。もしも、回答がない場合は管理会社に電話してもらう。

  3. 3ヶ月以降
  4. 督促したことを公的な記録として残す為に、管理組合の理事長の名前で内容証明の郵便で督促状を送る。

  5. 内容証明を送っても回答がない場合
  6. 管理会社の担当者と理事が同行して面談して、今後の対策を相談すると、「支払う意思がない人」「支払いたいが支払えない」「行方が分からない」の3つに分類できると思います。

 
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支払いたいが支払えない場合

支払う意思があるが、支払えない場合は、「分割での支払い」「一時猶予して一括で支払う」といった方法をとった上で、滞納した分は、遅延損害金を上乗せして支払ってもらうことを、公正証書にして残します。これらの費用は滞納者に請求することになります。

支払う気がない滞納者への法的処置

支払う気がない場合、行方が分からない場合は、管理者である理事長が主体となり行います。具体的な法的処置をとる場合は、管理会社の顧問弁護士などを紹介してもらい、弁護士などの専門家に依頼します。督促や弁護士の依頼の費用も滞納者に請求します。

法的処置は、管理規約に記載しておくとすみやかににできる
管理規約に、法的処置の手順を明記しておけば、総会にはかることなく法的処置がとれます。もしも、管理規約に明記されていない場合は、総会にはかる手間が必要になります。

 

文書での督促が重要

いかにすみやかに文書や内容証明での督促が大切かといった点については、下記の国土交通省の「平成25年度マンション総合調査」を見ると

  • 文書による督促:76.2%
  • 少額訴訟:6.6%
  • 通常の訴訟:9.2%
  • 競売:3.9%

いかに、文書や内容証明などでの督促が大切かが理解できるかと思います。

 

 
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コミュニケーションの向上で解決するのが基本

マンションでのトラブルは、まずは話し合いが最重要です。規約違反があっても

  • 管理規約を読んでいない
  • 昔、管理規約を読んだが忘れている

というケースもあります。

もしも、規約違反があった場合は、

  • 掲示板で、規約の周知の徹底を周知する

ことから行い、違反に気づいてもらうことから行います。

さらに、迷惑行為は、日頃のコミュニケーション不足が原因になることが多いので、管理組合が、住民が交流できる行事などを行うことで、トラブルの回避が可能になります。

 

問題を起こす人がいた場合の管理組合の対処方法とは?

あきらかに、一方の住民に問題があると思える場合は、管理組合が何かしらの対策を講じる必要があります。具体的には、

  • 理事会の決議後、理事長が勧告や指示、警告を行う
  • 管理規約に決まりが無ければ、総会で決議して管理規約、使用細則に追加する
  • 注意しても受け入れない場合は、理事長名で「内容証明郵便」を送る

上記のような形で、まずは、警告を行う必要があります。それでも解決されない場合は、「法的処置」を行うことを検討することになります。

規約違反・迷惑行為の最終手段は「法的処置」

迷惑行為や規約違反を、注意したが改善されない場合は、管理組合がとれる最終手段としては、区分所有者に対して

  • 迷惑な行為の停止などの請求
  • 専有部分の使用の停止などの請求
  • 区分所有権の競売の請求
  • 引き渡しの請求

をすることが認められています。

ただし、このような手段をとると、費用や時間もかかるうえに、住みずらくもなるので、よほどなことがない限り、まずは話し合いで解決するようにしましょう。

 
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トラブルになったときの対処方法の流れ【まとめ】

もしも、マンション内でトラブルが起こった場合に、下記のような手順で解決を目指すことになります。

  1. マンションでのトラブルが発生した場合は、まずは、下記のような手順で対処することになります。
  2. 当事者間での話し合いで解決する。
  3. 理事会が間に立って、穏やかに、話し合いで解決する。
  4. 明らかに、一方に非がある場合は、掲示板などで注意を促す。
  5. 何度注意しても改善されない場合は、名前を出し警告する。
  6. 理事会で採決を行い、通ったら、理事長が勧告、指示、警告をする。
  7. 問題を解決する決まりがない場合、新しく「管理規約」や「使用細則」の決まりを作る。
  8. 内容証明郵便を理事長の名前で出す。
  9. 総会で決議して、違反した区分所有者の専有部分の使用を禁止し、追い出す。
  10. 裁判で、違反した区分所有者の建物や土地の競売請求をする。賃借人の場合は、賃借権の解除を裁判所に請求する。

 

まとめ

マンションは、色々な人が同じ建物に住むので、様々なトラブルが起こる可能性があります。管理組合としては、何かあった時は、極力、理事が話し合い、皆が納得できる方法で解決を目指す必要がありますが、どうにもならない場合は、弁護士などと相談し、法的手段に出ることになります。

 
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