- マンションの防犯対策は必要か?
- 上層階は、安全?危険?
- オートロックは簡単?
- どんな防犯対策ができるのか?
- 管理組合が心がけることは?
近年、どれくらいの侵入窃盗が起こっているのでしょうか?この侵入窃盗に対して、マンションの防犯対策は、どのようなことを注意する必要があるのか?
マンション管理組合の理事長や理事になった場合に、どのような防犯対策をしておくと良いのか?基本的なことがらを紹介します。
侵入窃盗の現状とは?
まずは、侵入窃盗の現状について紹介します。また、どのような対策が必要か?と言った順番で紹介していきます。
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マンションの侵入窃盗は、大丈夫?
侵入窃盗の現状について、どうなっているか?「警視庁統計資料」について調べてみました。
侵入窃盗の認知件数は、平成28年には76,477件です。このうち住宅を対象にした侵入窃盗は、39,249件で、1日当たり約107件の住宅に侵入窃盗が発生しています。
マンションの侵入窃盗は?
平成21年の都内における侵入窃盗は、「住宅が64%」で、そのうち「4階建て以上のマンションは11.9%」です。
この為、マンションに住んでいる人は、高層階だからといって安心はできません。
侵入強盗の発生場所の認知件数とは?
具体的に侵入強盗が行われた場所としては、
- 商店:58.6%
- 生活環境営業:12.1%
- 一戸建て住宅:11.2%
- 共同住宅(3階建て以下):7.5%
- 共同住宅(4階建て以上):4.9%
- 金融機関など:3.8%
- 一般事務所:0.9%
- その他1.0%
以上のように、共同住宅の侵入強盗の比率は、12.4%になります。
侵入の手口とは?
平成28年度の共同住宅の侵入の手口について調べてみました。
3階建て以下の共同住宅
- 無施錠:49.8%
- ガラス破り:30.2%
- その他・不明:9.2%
- 合鍵:6.9%
- その他の破壊:1.8%
- 鍵破り:1.1%
- 施錠開け(ピッキング・サムターン回しなど):0.7%
- 戸外し:0.3%
4階建て以上の共同住宅
- 無施錠:47.0%
- ガラス破り:17.9%
- その他・不明:15.3%
- 合鍵:15.4%
- 鍵破り:1.3%
- その他の破壊:2.2%
- 施錠開け(ピッキング・サムターン回しなど):0.9%
以上の通り、共同住宅では、まずは、「無施錠」「ガラス割り」に注意する必要があります。
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窃盗犯が侵入するのは、どこか?
窃盗犯が部屋に侵入する場合は、どこからがおおいのでしょうか?
3階建て以下の共同住宅
- 窓:56.3%
- 表の出入り口:33.1%
- その他の出入り口:3.2%
- その他・不明:7.4%
4階建て以上の共同住宅
- 表の出入り口:50.8%
- 窓:38.0%
- その他の出入り口:0.9%
- その他・不明:10.3%
犯人の侵入口を見ると、3階以下の部屋は、窓が56.3%と半数を超えます。4階建て以上は表の出入り口が50.8%となっています。
まず、やるべき防犯対策とは?
上記のデータを見て分かるのが、
- 無施錠での出入り口からの侵入する
- 窓からの侵入する
- 窓ガラスを割って侵入する
といった、この3点を注意するだけでも、侵入窃盗の半数を予防することができるのが分かります。
この為、ゴミを捨てに行く、ちょっとした瞬間を狙って、部屋に侵入されるケースもあるので、ちょっとした外出でも施錠は必ずするようにしましょう。また、上層階でも、外出時には、窓は必ず閉め、割れにくいように窓ガラスには「防犯用フィルム」を使用するのも大切になります。
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防犯対策のポイントとは?
ここでは、まずは、どのような点を注意しておくと良いのか?特に重要になるポイントを紹介します。
住民同士の交流を進める
マンションの住民同士が、交流し、顔見知りになっていることで、知らない人がマンション内を徘徊していると気がつくものです。そういった住民の目があることで、空き巣も起きにくくなるようです。
玄関・窓の施錠は必ずする
オートロックのマンションでも、知らない人が、マンションの住民の後ろについて侵入することは可能です。この為、オートロックのマンションでも安心せず、ちょっとした時間、部屋が無人になる時、小さな子供だけになる時でも、「玄関」「ベランダ」「トイレ」「風呂場」の窓は、必ず施錠する必要があります。
上層階でも必ず施錠する
施錠していないスキに泥棒に侵入され、短時間で金品が持ち去られるケースがあります。この為、上層階だからと安心せず、必ず施錠する習慣をつけましょう。
窓ガラスが割られた時の対策をする
窓ガラスを割って、侵入してくるケースがあります。窓ガラスが割られるのを防ぐことは難しいですが「防犯用フィルム」を付ける事で、侵入に時間がかかるので泥棒があきらめる可能性が高まります。
エレベーターやエントランスに防犯カメラ
エレベーターは、狙われやすい場所なので防犯カメラを設置して予防します。また、オートロックのマンションは、エントランスなど、誰が入ってきたのか?チェックできるように防犯カメラを設置しておくのも良いと思います。
駐車場、ゴミ置き場
駐車場やゴミ置き場は、暗く、人気が少ないところで、暗い場合には、照明をつけて明るくしておくだけでも効果的な防犯対策になります。
人の目につかない死角に監視カメラを設置する
人の目がつかない死角が多いマンションの場合、その場所で襲われる可能性があるので、監視カメラを設置して予防することもできます。
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マンション管理組合ができる防犯対策
マンション管理組合では、「少しの外出でも必ず施錠する」「窓を開けっぱなしにしない」「窓ガラスに防犯用フィルムをはる」など、一番、侵入窃盗の多い部分を、マンションの住民に理解してもらい、対策してもらえるように伝えるのが大切になります。
管理組合が、具体的に取り組める事とは?
マンション管理組合が具体的に取り組むことができるのは「定期的な見回り活動」です。
泥棒は地域の目を嫌います。マンション内に、不審な人がいる場合、住民が一人で声をかけるのは怖いと思います。その為、マンション管理組合が、自治体と連携して、チームで、定期的な見回りを行い、不審者に対して皆で挨拶するだけでも泥棒には嫌がられます。
マンション全体でできる「防犯対策」
ここでは、マンション全体えとれる防犯対策を紹介します。費用が掛かる物なども含めて理事会や総会で話し合うと良いと思います。
- 防犯カメラを設置する
- 共用の扉は、カードや暗証番号などで開錠するタイプにし、誰でも気軽に入れないようにする
- ドアや窓の開閉に反応するブザーを設置する
- 窓やドアに、振動に反応するブザーを設置する
- 庭やベランダにセンサーライトを設置する
- 窓ガラスを防犯用のモノに取り換える
- 補助鍵をつける
以上のような対策をとることができます。
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マンションの住民が「個人」で防犯対策するべき事
マンション管理組合が、シッカリと防犯対策をしていたとしても、住民に、全然、防犯意識がないと、どうしても侵入窃盗に合う可能性が出てきます。そこで、ここでは、個人でとるべき防犯対策を紹介します。
- クレジットカードの請求書や宅配便の送り状、ダイレクトメールなどの宛名は破ってから捨てる
- 防犯用のフィルムを窓に貼る
- 夜、外出する時は、電灯をつけておく
個人で共用部分を勝手に手を加えてはいけない
マンションの共用部分は、個人が、勝手に手を加えてはいけない部分です。特に、玄関のドアやベランダなどは、個人の部分だと思われがちですが、マンションの共用部分になります。
この為、自宅の玄関のドアやベランダなどに手を加えたい場合は、理事会に提案し、総会の議決で承認を得た上で、マンション管理組合の費用で、全戸で変更します。
まとめ
マンション管理組合として、マンションの防犯対策をする場合は、まずは、各個人で出来る防犯対策の周知が重要だと思います。その為、どんな手口での犯罪が多いのか?具体的なケースを周知しつつ、対策方法、注意点を紹介すると、住民の防犯意識を高めることができると思います。
また、現状、侵入窃盗がよく起きる地域である場合、マンション管理組合が自治体と協力し、定期的な見回りを行い、犯罪者を遠ざける工夫も必要です。
さらに、住民同士が顔見知りであり、交流があることで、住民以外の人がマンションの敷地に入ってくると分かるようにしておくと、自然と見たことない人が歩いているのが気になり、住民が目がいくものです。これだけでも、侵入窃盗が減る可能性が高まります。
そのうえで、実際に、侵入窃盗などの被害があっている場合には、防犯カメラの設置など、理事会や総会の議題にして話し合いましょう。防犯カメラを設置しなくても、理事会や総会で話し合うだけでも住民の防犯意識を高めるきっかけになります。
防犯意識が高まったところで、個人的にできる防犯対策(ちょっとした外出でも施錠する、窓を閉める)などの取るべき対策を紹介することで、実践してくれる住民が増えるのではないかと思います。
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